【第1話】やりたいことを諦めなくちゃいけないのが、大人になるってこと?
はじめまして。
私の名前は、丸地あい。
年は27歳で、IT関連の会社で働いてる。
家族は、両親と姉と弟。犬と猫もいる。
つまり、まだ独身。
あのね、今すっごく気分が落ち込んでるの。理由は色々あるんだけど、とにかく今までの人生の中で一番って言っていいくらい落ち込んでる。
このままだと、この底なし沼みたいな場所から脱出できない気がして、ものすごく怖い。だから、とりあえず誰かに気持ちを聞いて欲しくて、このブログを始めたってわけ。
リアルな友達に相談するより、自分の本当の気持ちを話せるような気がして・・・どうか、気長にこんな私とお付き合いください。 よろしくお願いします。
お前の逃げ道になるつもりはない!
私が落ち込んでいる一番の原因は、ずばり失恋。ありきたり過ぎて笑っちゃうよね。でもね、当たり前だけど、私にとっては笑い事じゃなかった。
元彼とは学生時代からの付き合いで、もう7年も付き合ってた。正直、ちょっと頼りないところもあったけど、私はいずれ結婚するつもりでいた。
まわりの友達も最近結婚し始めたし、そろそろ私たちも、なんて考えてた。だから、私の誕生日に彼がいつもは行かないようなお洒落なお店に誘ってきたとき、
「もしかして、今日プロポーズされるかも!絶対そうだ!」と思って内心ドキドキしながら、そのお店へ向かったの。
今となっては、どんな料理を食べたのか全く思い出せないけど、とにかくすごくおいしい料理だったことは確か。
デザートが終わっても、なかなかプロポーズの言葉を言い出さない彼にちょっとイライラし始めてた私を、彼がじっとみつめてきた。
「いよいよ、指輪とか取り出しちゃう?あー、びっくりした振り出来るかな??」
なんて、ひとりで舞い上がってた私は、話し出した彼の言葉を最初は全く理解出来なかった。
「あい、俺たち今日で終わりにしよう。」
「お前と一緒にいても、全然楽しくないんだ。なんでか分かるか?」
そんなこと聞かれたって分かる訳ないよね?
答えられない私を悲しそうに見つめて、彼がまた話し出したの。
「あいが今、仕事が大変でしんどいのは分かる。そんなお前を応援しようと思ってた、好きだったから。」
だったら、なんで?
「でも、もう限界だ。お前はもう、俺が好きだった頃のあいじゃない。」
意味分かんない。
「俺が好きだったあいは、毎日を楽しもうと一生懸命だった。学生の時は勉強とサークルとバイトと、毎日忙しそうだったけど、いつも笑顔で楽しそうだった。自分で旅行やイベント企画して、まわりの人間まで楽しませてたよな。」
「今はどうだ。自分で選んで入った会社のはずなのに、口を開けば仕事の不満と愚痴ばっかり。たまに会っても、疲れてるからって言って、家の中で過ごすだけ。お前、最近俺がどんなことに興味あるか知ってる?知るわけないよな、俺の話しなんてほとんど聞いてないんだから。」
確かに、最近の私は会社で気難しい上司とやる気のない後輩に挟まれて、いっぱいいっぱいになってる。
ついつい仕事の愚痴を彼に言っちゃってたことも認めるし、休みの日に遠出したりする元気もなかった。
でも、それってそんなにダメなこと?7年の付き合いを終わりにされちゃうくらいの重罪?
私たちはもうお気楽な学生じゃないんだから、楽しいことばっかりしてらんないでしょ。
言い返したい言葉はいっぱいあったけど、彼の言葉が胸に突き刺さって、黙って痛みに耐えることしか出来なかった。
そしたらね、彼が最後のとどめとばかりに、こう言ったの。
「俺と結婚して仕事を辞めれば、楽になれると思っているんだろ。悪いけど、俺はお前と結婚できない。」
「お前の逃げ道になるつもりはない!」
こんな出来損ないのドラマみたいな話が、まさか自分の身に起こるなんてね。
この最悪の誕生日からもう2ヶ月経つけど、あの日の彼の言葉がボディブローのようにじわじわ私にダメージを与えるんだよね。
弱った体で渡れるほど、この世の中甘くないでしょ。だから仕事も何もかも、更にうまくいかなくって・・・見事に底なし沼にはまったってこと。
やりたいことを諦めなくちゃいけないのが、大人になるってことなのよ。
今ね、自分の部屋でこのブログを書きながら、昔の写真みてる。彼が好きでいてくれた頃の私の写真を引っ張り出して。
彼と出会った頃の私は、学校の勉強とバイト、サークル活動で睡眠時間3・4時間なんて毎日を送ってた。
特にサークルでは、映画を作ってたからめちゃくちゃ忙しかった。だけどあの頃は、疲れるなんてことなくて、寝る時間もいらないくらいだったんだよね。
若かったって言えばそれまでなんだろうけど、カッコつけて言えば、未来は自分のためにある、みたいに感じてた。
それが、就職活動を始めたあたりから、自分の未来を疑い始めたんだ。
映画が好きだったから、映像関係の会社中心に就職活動したんだけど、うまくいかなくて。大手から始めていったけど、全然内定もらえないの。
仕方ないから、段々規模の小さい会社へとエントリーしていったんだけど、気持ちいいくらいに全滅。こうなったら正社員は諦めて、経験積むためにバイトとして入るしかないかなと思い始めたんだ。
だけど、結局映像の世界には入れなかった。
正社員は諦めるって言った私をお母さんが許さなかったんだよね。
「いつまでも夢みたいなこと言ってないで、大人になりなさい。」
「やりたいことを諦めなくちゃいけないのが、大人になるってことなのよ。」
きっとね、私がもっと強かったら、母親の言葉なんか聞かずに突き進めたと思う。だけど、私には出来なかった。
もしかしたら、この時から彼との別れは避けられない未来になっちゃってたのかもなって、今は思ってる。
彼も写ってる、この写真。捨てたほうがいいかな?
マルチライフプロジェクトのセミナー行くよ!
あっ、誰かからメールが来たみたい。こんな時間に連絡してくるってことは、たぶん友達のさくらじゃないかな。
さくらとは高校のときに出会ってからの仲。大恋愛の末に25歳で結婚して、今はかわいい女の子を育ててる。
お互い忙しくて最近は全然会えてないけど、彼とのことをさくらにだけは全部話してあるんだ。
誕生日の日のことも、電話口で黙って聞いててくれた。自分のことばっかり話す会社の女子とは大違い。
「あい、再来週の土曜日空いてる?っていうか空けておいて、絶対に!」
「マルチライフプロジェクトのセミナー行くよ!」
さくらのメールはたった2行で終わってた。
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マルチライフプロジェクトって、いったい何???
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〜次の記事で、あいはマルチライフとマルチライフプロジェクト代表、伊豆はるかとの運命的な出会いを迎えます。果たして、あいは底無し沼から這い上がることが出来るのか!〜
★ 丸地家のマルチライフストーリーについて ★
主人公の丸地あいとその家族が、人生に起こる様々な出来事にマルチライフ的方法論で立ち向かっていく物語です。
あいやその家族は特別な存在ではなく、きっとあなたのまわりにいる人や、あなた自身と重なる存在ではないでしょか。
一緒に丸地家のマルチライフストーリーを見守って頂けたら嬉しいです。
マルチライファー’s CLUB 0期 スイーツと短歌をこよなく愛する、ことばのパティシエ ☆YUKO でした