【第14話】親になりたかったら、戦い勝ち取っていくしかないものがある
私のブログを見にきてくれて、ありがとう。
前回の記事では、私がお姉ちゃんのことをはるかさんに相談したところまで書いたよね。
覚えてくれてる?もし、はるかさんに相談って何のこと?と思った人は、今までの記事を先に見てね。
>>過去記事
第1話【やりたいことを諦めなくちゃいけないのが、大人になるってこと?】
第2話【やりたいことを全部やって、人生を楽しみ尽くす!】
第3話【ママと妻だけやってる私、物足りないって言ったら怒られるかな?】
第4話【自分の持っているキャリアや武器を無駄にしたらもったいない】
第5話【家族こそ、お互いの気持ちを言葉で伝えあわなきゃ分からない】
第6話【自分だけがやりたいことをやるなんて、そんなことできない】
第7話【母と娘から、ひとりの女性同士として向き合うふたりの時間】
第8話【ピンチの時、家族は最強のエネルギー補給基地だから】
第9話【始まったばかりの人生の後半戦、どう生きていくか選びたいの】
第10話【父さん、母さんが見捨てても僕だけはついていくよ】
第11話【俺はぬれ落ち葉なんかにならない!サイコーな第2の人生を送るのさ!!】
第12話【女は子どもかキャリアか、どっちかひとつを選ばなくちゃいけないの?】
第13話【誰もやったことがないのなら、自分がやって道を開拓するしかない】
夫婦喧嘩のベストな解決方法ってあるのかな?あるとしたら、知っておかなきゃ
リビングに集合した計6人の大人。私たち丸地家5人と、長女モモの旦那さんであるハルアキさん。全員が顔をそろえるなんてお正月以来じゃないかな。
お姉ちゃんとお義兄さんは2週間ぶりに顔合わせるのが、ちょっと照れくさいみたい。見ているこっちの方が恥ずかしくなっちゃうくらい初々しい。結婚1年目の夫婦ってこんなものなのかな?結婚って、やっぱり謎だらけ。
お義兄さんさんの問いかけに、こっくりとうなづいたお姉ちゃん。
小姑とはいささか心外だけど、正直言えば、ふたりの話し合いに立ち会いたい気満々の私。決して野次馬根性なんかじゃないんだよ。純粋に妹として、ふたりの行く末を心配してるだけ、90パーセントはね。
残りの10パーセントは…自分の将来のためかな。将来結婚して、いざ夫婦喧嘩ってなったとき、どうやって話しあうか知ってた方がいいでしょ?
「モモ、結婚した時に【モモの仕事がひと段落着くまで、子どもは作らない】っていう約束を無視して、すぐに子どもが欲しいなんて言って悪かった。反省してるよ。」
「だけど、思いつきなんかで言った訳じゃないんだ。実は先輩の話を聞いて、このままじゃまずいって気が付いたんだ。」
このままじゃまずいって、どういうことだろう?
子どもが欲しかったら、知っておくべきことがあるって、誰も教えてくれなかった
「モモは今31歳、俺は35歳。ありがたいことに、ふたりとも健康で病気知らずだ。ぶっちゃけると、同級生なんかと比べても、若さを保ってる方だと思う、俺もモモも。」
「だけど、見かけが人より若いからって、中身まで若いかって言ったら、決してそんなことないんだよな。20代の頃と比べたら、確実に徹夜は辛くなってるし、深酒は何日も残る。」
確かに、お姉ちゃんもお義兄さんも実年齢よりかなり若く見える。20代だって言われても全然違和感ないくらい。それでも、体の衰えなんて感じてたんだ、意外だな。
「先輩の奥さんも、結婚した時は仕事が面白くて、産休や育児休暇を取るなんて考えられなかったそうだ。先輩自身も同じように仕事が忙しかったから、あっという間に5年が経った。」
「奥さんの仕事が一段落して、そろそろ俺たちも子供をってなったとき、奥さんは35歳、先輩は38歳。何カ月かトライしたけど、なかなか妊娠しないから、思い切って病院へ相談にいったそうなんだ。」
そう言えば、この前テレビで不妊治療の特集やってたっけ。その時は自分とは全然関係ない話かと思って、しっかり見てなかったけど…もしかしたら知らないだけで、身近にも妊娠できずに悩んでる人って多いのかな?
「そこで医者から告げられたのが、【卵子の老化】ってわけ。結局、先輩ご夫婦は不妊治療に踏み切ったけど、4年経った今でも赤ちゃんを抱っこできずにいるよ。それで、俺がしばらく子どもを作るつもりはないって話をしたとき、自分の経験を話してくれたんだ。」
「子どもが本当に欲しかったら、学校や親が教えてくれなかった【卵子の老化】について、知っておくべきだって。」
誰が何と言おうが、権利を主張しなくちゃいけないときがあるんだ
「本当はモモに、この話を始めからしていれば良かったんだけど…あの時は【とにかく早く子どもを!】って気に、ひとりでなっちゃって。うまく気持ちを伝えられなくて、悪かったよ。」
お義兄さん、見かけによらず「思い立ったらら一直線」みたいなところあるからな。だからこそ、昔からモテモテで、引く手あまたのお姉ちゃんと結婚できたのかもしれないけど。
「モモが家を出ていってから、冷静になって考えてみたんだ。モモが仕事を辞めずに、キャリアアップも諦めずに子どもを産む方法を。」
「それで、上司に直談判してもぎ取ったよ、一年間の育児休暇を。それに、来月からは週の半分は自宅で仕事するリモートワークの権利も手に入れたから、妊娠期間中もかなり自由が利くと思う。」
えーーーーーー!!お義兄さんが1年の育児休暇!!
確かにウチの会社でも男性の育児休暇制度はあるけど、実際に取得してる人なんて皆無。しかも、妻の妊娠に備えて、働き方まで変えちゃうなんて聞いたことないよ。
「ハルアキ君、えらくぶっ放したもんだね。君の会社には前例があるのかい、男性社員が1年間育児休暇とったり、リモートワークしたりする?」
誰よりも先に口を開いたのは、いつもは誰よりも口数が少ないお父さん。よっぽどびっくりしたんだろうな。
「お父さん、正直言って前例はありません。上司も最初は聞く耳持たずでしたが、最終的には先ほど話にでた先輩の協力で権利を勝ち取ることができました。」
「先輩が【これから益々人材不足になっていくのに、男性社員の育児休暇も認めないような会社、優秀な学生や有能な女性はひとりも就職してくれませんよ。それでもいいんですか?】って言って。」
「なるほど。そう言われちゃあ、上司も首を縦に振るしかないな。何しろ人材の確保が一番難しいから、今の時代は。でも、それで君の将来に悪影響はないのかい?」
さすがお父さん、サラリーマン社会を知り尽くしてる大先輩ならではの心配だね。
「その点は、はっきり言って分かりません。だけど、もし育児休暇を取得したことで、僕の将来に何か不都合が生じたとしたら、そんな会社こちらから出ていってやりますよ。」
「よっ、若き男性の星!我らの輝ける先駆者!そうこなくっちゃ、お義兄さん!!」
弟のルリが入れた合いの手はふざけきっていたけど…わたしも同じ気持ちだよ、お義兄さん!
1年後、2年後、5年後、一生後悔しないために今できること
あれっ、お姉ちゃんずっと黙って聞いてるけど…どうしちゃったんだろう?
「モモ、どうかな。子どもができても、モモがやりたい事を諦めなくてもいいように、俺が全力でサポートしていくよ。子どもを産むこと以外はなんだってやるつもりだ。」
「1年後でも、2年後でも、5年後でも、子どもはできるかもしれない。だけど、もしできなかったとき、俺は後悔したくないし、モモにも後悔して欲しくないんだ。だから…」
「あなたの気持ち、よく分かった。私のために、いいえ、私と未来の子どものために、自分の将来をかけて行動してくれたこと、すっごくうれしい。」
あれっ、お姉ちゃん、泣いてるのかな?声がちょっと震えてる。
下を向いて、さっと手で目の涙をぬぐったように見えた。
そして、顔を上げると満面の笑み。
「私、決めたよ…」
お姉ちゃん、どうするの?
~夫から卵子が老化すること、子どもができたら自分も育児休暇をとること、妊娠に向けて働き方改革をすることを告げられた姉、モモ。自分のキャリアップを諦めたくない彼女はいったいどう決断するのか?!
★ 丸地家のマルチライフストーリーについて ★
主人公の丸地あいとその家族が、人生に起こる様々な出来事にマルチライフ的方法論で立ち向かっていく物語です。
あいやその家族は特別な存在ではなく、きっとあなたのまわりにいる人や、あなた自身と重なる存在ではないでしょか。
一緒に丸地家のマルチライフストーリーを見守って頂けたら嬉しいです。
★マルチライフに興味を持った!もっと知りたい!という方はこちらから公式メルマガに登録してください★
>>無料公式メルマガ
マルチライファー’s CLUB 0期メンバーで、スイーツと短歌をこよなく愛する。ことばのパティシエ ☆YUKO でした。